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「おたくのおかげで、今日も生きています。」と、
高齢者から声をかけられることは、あなたはありますか?

こんにちは。
ウィズコロナ/アフターコロナの時代の生き方を研究する、
【生き方カウンセリング+コーチング】
そして【高齢者向け宅配弁当配達】のパラレルワークもしている、立野博一です。
無料メルマガ【新ライフ・チェンジ通信】最新号から、ご紹介します。

私=立野は、2000年から「心理的アロマテラピー」の研究とセッションやワークショップ等を始めて、
2006年から「コーチング」の学びとセッションを始めました。
そして2020年4月、ヒョンなことから「高齢者専門宅配弁当配達」という仕事と出会い、
現在はこれをパラレルワークとして従事しています。

今日は「高齢者専門宅配弁当配達」の中で出会った1人のお婆さんの話を、
個人的なプライバシーに触れない範囲で、
1つの「寓話」「現代のおとぎ話」として、ご紹介したいです

↓ ぜひ、文末までお読み下さいネ ↓

高齢者専門宅配弁当配達の現場で

その90代半ばの高齢女性(仮に「Aさん」とします)は、
杉並区のJRの駅から少し離れたエリアで、
瀟洒な1軒家でひそやかに、一人暮らしされていました。


以前は華道のお仕事をされていたようで、
玄関に入ると、季節の花がいつもさりげなく飾られていた。

少し足が悪くて、お弁当を届けると、
出て来られる迄にしばらく時間がかかるのですが、
いつも穏やかな笑みを浮かべて、
背筋を伸ばした、風情ある高齢女性でした。

前任者から杉並区の西側の配達ルートを受け継いだ私は、
Aさんの御宅にも毎日配達することとなり、、、
ただ機会的に弁当を置いて来るだけではなくて、
少し時間をかけて、Aさんが玄関まで出て来るのをお待ちして、
ひと言言葉かけしながらお弁当を手渡しするように、
毎回心がけるようになりました。

「今日も、生きています。」

「おたくの弁当のおかげで、今日も生きています。」
ーーそんな風にAさんは、
お弁当をお届けした時、私に声をかけて下さるようになった。

チョット大袈裟な言葉にも聴こえるけれど、
この言葉の真意はおそらく、、、
「今日も生きています。」
という所にあったのでしょう。

明日はどうなるか?
明日朝、目覚めることが出来るか?
わからないけれど、、、
「今日の所は、生きています。」と。

そして、1日1日が、
毎日積み重なって行く、、。
「今日も、生きています」と。

 

「(なんたって)93歳になりますからネ〜。」とも、
Aさんは言われた。

93歳と言えば、
第2次世界大戦(太平洋戦争)の頃には、
10代後半から20歳前後だったはずだ。
戦争とその後の食糧難の時代を、リアルに生きて抜いて来た方の言葉に、
私はどう返事したら良いのものか?
ーーわからなくなってしまいました。

「おたくの弁当のおかげで、今日も生きています。」

ーーあと数年で100歳を迎える方が、
そう言って下さるのでした。

血だらけの両腕

ある日、そんなAさんが
両腕の肘から先が出血して、
真っ赤に血だらけになっておられていたのでした。

庭の草むしりをしていて、
何かで傷つけてしまったらしい。
高齢になると、皮膚が紙のように薄くなり、
チョットしたことで出血しやすくなるのです。

私「消毒薬とか、ありませんか?」

Aさん「それがウチには、無いのよ〜。」

その日は配達の時間配分に少し余裕もあったので、
私は近所のドラッグストアまで3輪バイクで走り、
消毒薬と絆創膏、簡易な包帯を購入して戻った。

そして傷口を消毒さしあげたりしたのですが、、、
「弁当屋がここまでやって良いのだろうか」という想いも、
もちろんありました。

とはいえ、
血を流しながら、なすすべもなくしている、
お婆さんを見過ごすわけにもいかないですネ。

それからお弁当を配達する度に、
私はAさんの腕の具合を、
さりげなく観察するようになりました。

ロッキング・チェアが1脚だけ残されて

そして2020年の夏から秋に季節が変わる頃、
親族の方の家にAさんが引っ越しする話を、
伝えられたのでした。

90代のAさんが一人暮らしでなくなり、
親族の方が一緒に暮らして下さるなら、
それが何よりベストですね。
とはいえ私としては、
寂しくも感じていました。

引っ越しの日が近づいてくるにつれて、、、
どうしてか? お弁当の配達にうかがっても、
Aさんは玄関まであまり顔を出さないようになった。

そして、引っ越しの数日後、、、
私は3輪バイクでの配達の途中に、
Aさんの御宅の前まで行ってみたのでした。

カーテンのなくなった窓から、
ガランとした室内の様子が見えました。
その部屋は、Aさんの介護ベッドも置かれていた、
フローリングの部屋でした。

そこに、、、

なぜか? 木製のロッキング・チェアが1脚だけ、
残されていました。

93歳のAさんは、
あのロッキング・チェアに座り、揺られながら、
日々、何を想っていたのでしょうか、、、。

主のいないロッキング・チェアだけが、残された部屋。

お年寄りや認知症の方々から学ばされる仕事

引っ越して行ったAさんが、今現在も元気ですごしておられることを、
私も心から願っています😀

「おたくの弁当のおかげで、今日も生きています。」なんて言って下さるお客様は、
実際滅多にないものです。
Aさんとの出会いは、私にとって特別な体験ですが、
たかが弁当屋、されど弁当屋。

こんな風に高齢者向け宅配弁当の仕事は、
お年寄りや認知症の方々から、
いろいろ学ばさせていただく仕事でも、あるのです。
「生きること」、
「老い」、
そして「人生のしめくくり」について。

お年寄りや認知症の方々から学ばされ、気づかされることは、
本当に沢山あります。
(Aさんは、認知症はまだ進んでおられないようでしたが。)

人生イロイロありますよ〜! お互いに。
高齢者向け宅配弁当の現場も、
ナカナカ興味深い仕事ですよ!

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